知らなかったことを知ろうとすると、世界がもっと面白くなる
2050年の日本の未来を明るくする!
コレカラプロジェクトのchiecoです。
先日北海道の北西部・後志地方の地域活性化ツアーのモニターとして仕事を兼ねて行ってきました。
様々なところをめぐったのですが、私がとても刺激を受けたのが【旧余市福原漁場】というところでした。
行ったことがある方も、ない方も【知らなかったことを知ろうとすると、世界がもっと面白くなる】というテーマでご覧いただけると幸いです。
かつて栄えたニシン漁
現地に行く前に、事前情報として北海道の西側の沿岸はかつてニシン漁で栄えていたとは聞いていました。
・たくさん採れてたから栄えたんだなぁ
・でも、そこで蟹工船みたいに過酷な労働強いられてた人も居たんだろうなぁ
・盛者必衰、栄え過ぎたら淘汰されたってことだよね
という感覚で旧余市福原漁場へ。
あながち間違ってはないのですが、
・なぜ栄えたのか
・過酷な労働は負担なだけだったのか
・祭りの後、栄えた後の影響
という事を現地に行き、説明を聞き知る事が出来ました。
【なぜ栄えたのか】
もちろんたくさんニシンが水揚げされたからですが、その後どのようにお金に変わったのかまでは知りませんでした。
水揚げされたニシンは食用に加工されるのは3割程度で、ほとんどは肥料になっていたということ。
冷蔵技術なども未発達で、干したり漬けたりしても食用として加工しても出回るものは少ない。
現代のイメージでは、どうせ捨てるなら勿体無いから肥料にしようという感覚になるけれど、ニシン漁においては逆。
肥料にする為に採ったけど、食べられそうだから食べよう、みたいな。
そして、その肥料が良い畑の肥やしとなってくれるから高値で取引され、収益があがる。
海のものが山のものを育てるという事も面白いし、そこにしっかりとビジネスが成り立っていたからこそ栄えたという図式は、知ろうとしないと見えてこないかも。。
【過酷な労働は負担なだけだったのか】
ニシンの魚群は3月頃から4月にかけてのみ北海道の西沿岸に漂流してくる。
つまり、その期間しか漁が出来ません。その為に2月頃から水揚げしてすぐに加工出来るよう薪や道具などを準備し、漁の期間はほぼ不眠不休で作業。
終わったら片付けをして5月頃には家に帰る。ニシン漁に出稼ぎに来ていたのは、多くが東北地方の農家さん。
稲作の合間に来て、終わったら家で田植えをするという人が多かったようです。
例えば冷夏などでお米が不作だった場合、出稼ぎに行けば家族を食べさせる事が出来る!というある意味保険的な役割だったと捉える事も出来るかもしれません。
また、確かに漁の期間は現在のブラック企業を遥かに凌ぐ労働条件ですが、その2ヶ月を耐えたら1年分の給料が貰えるという感じだったかもしれません。
ちなみに、男衆(やんしゅう)が100人ほど密集して寝泊まりしてても、ニシン漁は寒い時期に行われて汗をかかないので、モワッとした、なんとなくイメージするような肉体労働な感じでは無かったそうです。
漁が終わり、ニシンを炊いていた釜を洗い、その釜で五右衛門風呂。
汚れを落とし、周辺に点在していた遊郭で疲れを癒し、帰宅したというのも面白い歴史です。
【祭りの後、栄えた後の影響】
ニシン漁の衰退の大きな要因としては、海水温の上昇によってニシン魚群の流れが変わったという事ですが、やはり乱獲という事も要因ではあると思います。
また、ニシン漁では加工の為にたくさんの薪や木製の道具が必要で、その為たくさんの木を切って来ました。
沢山の木が切られたら環境が変わります。海も山もやはり繋がっていて、豊かな大地が豊かな海を作り、そこにニシンが来ていたのに、ニシン漁の為に豊かな大地を削り、豊かな海が失われ、ニシンが来なくなった。。
山のものを育てる海のものを採るために、山が壊される何とも因果なものです。
でも、このような歴史は私たちに色んな事を教えてくれます。
【今が良ければ】【自分さえ良ければ】という感覚だったら、きっとニシン漁と同じように盛者必衰となってしまう。
歴史の教科書には載るか載らないか、載ってもほんの1行程度。
でも、1行程度の歴史でも、そこに生きた人が居て、その人たちの数だけ歴史がある。
そこに目を向けようとするだけでも、新しい気づきがあるのです。
旧余市福原漁場ではおばちゃんが、とてもわかりやすく説明してくれました。
またそのおばちゃんがとってもチャーミングで、ニシン漁の事も知りたいけれど、おばちゃんの話をもっと聞きたい!と思ってしまいました。
北海道に行って、ニッカウィスキーの蒸留場もツアーに組み込まれてるなら、車で5分、少しだけ足を伸ばして【旧余市福原漁場】にも足を運んでみてください!!
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